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これだけは押さえておきたい会社の税金のはなし【7】~役員報酬の決め方と変更の仕方~

投稿日:2017年11月24日 更新日:

 

中小企業の社長さんに押さえておいて欲しい会社の税金のはなしの7回目は、役員報酬です。

役員に対する給与については、役員が会社の委任(会330)を受けてその法人経営に従事する者であり、法人の得た利益の分配に参与する地位にあるともいえることから、職務執行の対価として 相当とされる金額を超える部分は損金の額に算入しないこととされています(法 34)。

もし仮に、自由に役員給与を支給することが可能であれば、利益調整が横行して課税の公平性が失われるばかりでなく、国としても税の徴収が出来ない結果となるため、法律により支給方法等が厳しく定められています。

 

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損金に算入される役員給与(役員報酬)

法人がその役員に対して支給する給与のうち、次の①から②までに掲げる給与のいずれにも該当しないものの額は損金の額に算入されないこととされています(法34①)。

言い換えれば、役員給与の額を損金に算入するためには、次の①から②に掲げる給与に該当する必要があります。

ただし、これらの給与には、債務の免除による利益その他経済的な利益を含み、不相当に高額な部分の金額及び事実を隠蔽又は仮装して経理することにより役員に対して支給する給与は損金の額に算入されません(法34①②③)。

 

定期同額給与

支給時期が1月以下の一定の期間ごとであり、かつ、当該事業年度の各支給時期における支給額が同額である給与、その他これに準ずる給与をいう(法34①一、令69①)。

→毎月の給与が同額で同時期に支給されるものである必要があり、これを定期同額給与と言います。

 

事前確定届出給与

その役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給する給与で、納税地の所轄税務署長にその定めの内容に関する届出をしているものをいう(法34①二、令69②~⑤、規22の3①)。

→指定した時期に予め定めた金額(例えば役員賞与)を支給することを税務署に届け出ていれば、損金に算入することができます。

 

したがって、あらかじめ支給額や支給時期が確定しているものについては毎月の定期同額の給与の他に6月及び12月などのように特定の月に増額支給するものであっても損金の額に算入されるということになります。

 

 

過大な役員給与の損金不算入

定期同額給与等であっても、法人がその役員に対して支給する給与のうち不相当に高額な部分の金額は、損金の額に算入することができません(法34②、令70)。

役員給与が不相当に高額かどうかは、次の「実質基準」及び「形式基準」によりそれぞれ不相当に高額な部分の金額を算出し、いずれか多い金額が損金の額に算入されない金額となります(令70一)。

 

① 役員の職務内容、法人の収益状況、使用人に対する給与の支給状況、同業種同規模法人の役員給与の支給状況等に照らし、不相当に高額な場合には、その高額な部分の金額(実質基準)(令70①一イ)

② 法人の定款や株主総会で定めた金額の範囲を超えて給与を支給していた場合の、その超える部分の金額(形式基準)(令70①一ロ)

 

 

経済的利益とは何か

役員に対して支払う給与は、現金で支払われるのが通常だと思います。

しかし、法人が役員等に対して有する貸付金等の債権を放棄する場合、あるいは、法人が所有している土地、建物を役員等に対して無償や低い価額で賃貸する場合のように、現金は支払われないが、実質的にその役員等に対して給与を支給したのと同様の経済的効果をもたらす利益が与えられる場合があります。

このような利益を一般に「経済的利益」といいます(基通9-2-9)。

そこで、法人税法上このような経済的利益については、役員の場合であれば、その実態に応じ定期同額給与、臨時的な給与、退職給与に区分し、これを実際に支給した給与の額に含めそれぞれの金額が過大であるか否かを判断することとなります。

 

役員給与の額を変更する必要があるとき

定期同額給与の変更

定期同額給与を改定・変更する場合は、 事業年度開始から原則として3ヶ月以内に改定・変更を行って、 改定・変更前(事業年度の始まりから改定・変更のときまで)の各支給額は同額である必要があり、 改定・変更後(改定・変更のときから事業年度の終わりまで)の各支給額も同額である必要があります。

 

 

臨時改定事由

役員給与の額を変更しなければならないやむを得ない事情があるとき、例えば「内国法人の役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情」(これらを臨時改定事由といいます。)がある場合には、事業年度の中途において役員給与の額が改定されたとしても、それによりされた給与改定は定期同額給与として取扱い、その全額が損金に算入することが可能になります(法令69①一ロ)。

つまり、①職制上の地位の変更、②職務内容の重大な変更、③その他類似するやむを得ない事情、の3つが臨時改定事由とされており、この臨時改定事由があれば、役員給与の改定が全額損金算入されることになります。

 

 

  • この記事を書いた人

jun.hamano

濱野純税理士事務所 代表。 【事務所HP】https://hamanotax.com 1980年10月 埼玉生まれ。埼玉県草加市育ち、東京・蒲田在住。税理士。中小企業診断士。節税、節約、税務処理を身をもって実践しブログに公開しています。

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