税金(法人)

【税務相談】従業員に社宅を提供した場合の課税関係

投稿日:2018年10月11日 更新日:

 

福利厚生の一環として、従業員に社宅を提供する場面も少なくないと思います。従業員の社宅については、一定の要件を満たせば、従業員側では非課税となり、法人側でもそのまま費用(損金)として計上することができます。

今回は従業員に社宅を提供した場合の税務上の取扱いについて、考えていきます。

 

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質問【従業員が直接契約した住宅の家賃補助】

【質問】従業員が直接契約した住宅の賃料を支払った場合の取扱いはどうなるか?

当社は、従業員が直接契約している住居について、家賃補助を行おうと考えています。この場合の税務上の取扱いはどうなりますか?

 

 

ご質問への回答

従業員が契約している住居に対して補助を行う場合には、貴社の法人税法上の取扱いは、従業員に対する給与として損金(費用)に計上されることになります。従業員の側では、補助を受けた金額が給与として認識され、課税が行われます。

なお、契約を法人契約として、貴社から従業員に社宅として貸付け、従業員から一定の金額を徴収することで、貴社においては社宅賃料として損金(費用)に計上でき、従業員側でも非課税として取扱うことができます。

 

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解説

従業員に対し、現金で支給する住宅手当や、従業員が直接契約している場合の家賃負担は、給与として課税が行われます。

一方で、会社が所有している社宅を従業員に貸付けする場合や、他から借りて従業員に貸付けする場合には、従業員から一定の金額以上の家賃を受け取っていれば給与として課税されません。

この場合の一定の金額とは、次の(1)~(3)の合計額をいいます。

一定の金額(賃貸料相当額といいます。)】

(1) (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%

(2) 12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/3.3(平方メートル))

(3) (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%

従業員に対し無償で貸与する場合には、上記の賃貸料相当額が給与として課税されることになります。

従業員から受け取っている家賃が、賃貸料相当額の50%相当分より低い場合には、受け取っている家賃と賃貸料相当額との差額が、給与として課税されることになります。賃貸料相当額の50%以上の金額を家賃として従業員から徴収していれば、給与として課税されません。

賃貸料相当額は、固定資産税の課税標準を用いることから、他から借りた社宅については貸主等から固定資産税の課税標準額を確認することが必要になります。

以上のことを、例で示してみますと以下のようになります。

 

〇賃貸料相当額が2万円の社宅を従業員に貸付けした場合

(1) 従業員に無償で貸与する場合には、2万円が給与として課税されることになります。
(2) 従業員から8千円の家賃を受け取る場合には、賃貸料相当額である2万円と8千円との差額の1万2千円が給与として課税されることになります。
(3) 従業員から1万1千円の家賃を受け取る場合には、1万1千円は賃貸料相当額である2万円の50%以上ですので、賃貸料相当額である2万円と1万1千円との差額の9千円は給与として課税されません。

 

給与課税が行われると、従業員側の所得税ばかりでなく、社会保険にも影響を及ぼすことになります。今回ご紹介した取扱いをうまく利用して、会社と従業員の双方にとってメリットのある社宅制度にしてみてはいかがでしょうか。

 

【参考】所得税法 施行令21、基本通達36-41、36-47

(非課税とされる職務上必要な給付
第二一条 法第九条第一項第六号(非課税所得)に規定する政令で定めるものは、次に掲げるものとする。
四 ~略~その他給与所得を有する者でその職務の遂行上やむを得ない必要に基づき使用者から指定された場所に居住すべきものがその指定する場所に居住するために家屋の貸与を受けることによる利益

(小規模住宅等に係る通常の賃貸料の額の計算)
36-41 36-40の住宅等のうち、その貸与した家屋の床面積(2以上の世帯を収容する構造の家屋については、1世帯として使用する部分の床面積。以下この項において同じ。)が132平方メ-トル(木造家屋以外の家屋については99平方メ-トル)以下であるものに係る通常の賃貸料の額は、36-40にかかわらず、次に掲げる算式により計算した金額とする。

その年度の固定資産税の課税標準額×0.2%+12円当該家屋の総床面積(㎡)/3.3㎡+その年度の敷地の固定資産税の課税標準額×0.22%

(注) 敷地だけを貸与した場合には、この取扱いは適用しないことに留意する。

(徴収している賃貸料の額が通常の賃貸料の額の50%相当額以上である場合)
36-47 使用者が使用人に対して貸与した住宅等につき当該使用人から実際に徴収している賃貸料の額が、当該住宅につき36-45により計算した通常の賃貸料の額の50%相当額以上である場合には、当該使用人が住宅等の貸与により受ける経済的利益はないものとする。

 

 

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  • この記事を書いた人

jun.hamano

濱野純税理士事務所 代表。 【事務所HP】https://hamanotax.com 1980年10月 埼玉生まれ。埼玉県草加市育ち、東京・蒲田在住。税理士。中小企業診断士。節税、節約、税務処理を身をもって実践しブログに公開しています。

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