税金(個人)

【個人事業主の所得計算⑤】自家消費(家事消費)の意味と計算の仕方【仕訳例付き】

投稿日:2018年11月14日 更新日:

 

自分のお店でまかないを食べた時や自分のお店の商品を使用した時に、何の処理もせずにそのままにしていませんか?

所得税や消費税の計算では、個人事業主が商品等を自分で消費した場合には、一定の基準に則り、売上として計上しなければなりません。

税務調査ではよくチェックされる項目になりますので、しっかり確認していきましょう。

 

 

 

自家消費(家事消費)とは?

自家消費(家事消費)とは、個人事業として小売店や飲食店を営む方が、自分やご家族で商品などを消費することをいいます。事業に関係するものを、日常生活(家事)で消費することを意味しています。

例えば、小売店が商品をプライベートで消費したり、事業で使わなくなった売り物ではない備品をプライベート用にしたり、飲食店が自分用のまかないを出したりすると自家消費(家事消費)となります。

所得税や消費税の計算では、売上として計上しなければならないので注意が必要です。

 

 

自家消費(家事消費)の所得税法上の取扱い

自家消費(家事消費)の金額はいくらにすればいいのか【所得税】

自家消費(家事消費)を売り上げとして計上するとき、金額はいくらにすればよいのでしょうか?

原則的取扱いと特例があります。

 

原則的取扱い

「通常の販売価額により総収入金額に算入する」

 

原則的な取扱いによれば、卸売業の場合は卸売価額により、小売業の場合は小売価額によることとなります。

では、飲食店の「まかない」など、定価がないものはどうなるでしょうか?

その場合には、おおよその1食分の金額を計算することになります。

これはあくまでも原則的な考え方であって、実際の計算では次の特例の取扱によることになります。

 

特例

棚卸資産に関しては以下の金額のうち、いずれか高い方を自家消費(家事消費)による収入金額(売上)とすることができる。

•その棚卸資産の仕入価額

•通常の販売価額の70%

 

この70% というのは、一般の棚卸資産の場合には、その差益率がおおむね30%以下であると考えられるところから付けられているものです。

そのため、業種によって状況は変わりますが、取得価額に相当する金額によって自家消費による収入金額を計算することができることになります。

 

 

具体例

仕入価額15,000円、通常販売価格が30,000円の場合

①仕入価額 15,000円

②通常販売価額×70%=30,000円×70%=21,000円

→21,000円を家事消費の金額とします。

 

 

自家消費(家事消費)の仕訳例【所得税】

上記の具体例の場合の自家消費(家事消費)の仕訳は以下のようになります。

(借方)事業主貸 21,000 (貸方)自家消費 21,000

 

「自家消費」の勘定科目を使用せず、「(借方)事業主貸/(貸方)売上高」と仕訳をしても問題はありませんが、税務調査時に自家消費について指摘があった場合に、金額を提示できるようにしておきましょう。

 

 

自家消費(家事消費)の消費税法上の取扱い

自家消費(家事消費)で計上すべき売上は所得税と消費税で異なる

ここまで所得税における自家消費(家事消費)についてみてきましたが、消費税における自家消費については取扱いが少し異なります。

自家消費に関する、消費税上の取扱いについて、所得税の場合と比較しながら見てみましょう。

 

所得税計算上の自家消費売上高 消費税計算上の自家消費課税売上高
【原則】通常の販売価額 【棚卸資産以外】譲渡時の価額 (時価)が「資産の譲渡」とみなされる。
【棚卸資産の場合】

仕入価額 又は 通常販売価額×70%の いずれか高い方が自家消費に係る売上となる。

【棚卸資産の場合】

仕入金額 又は 通常販売金額×50%のいずれか高い方 が「資産の譲渡」とみなされる。

 

こちらも所得税の取扱いと同様に、自家消費したものは消費税の計算上、課税売上として計上する必要があります。

注目すべきは、棚卸資産の場合の自家消費とすべき金額が、所得税は通常販売価額×70%としているのに対し、消費税では通常販売価額×50%となっている点です。

自家消費とすべき金額について、所得税と消費税とで金額が異なることになる点にご注意ください。

 

具体例

仕入価額15,000円、通常販売価格が30,000円の場合

所得税

①仕入価額 15,000円

②通常販売価額×70%=30,000円×70%=21,000円

→21,000円を家事消費の金額とします。

消費税

①仕入価額 15,000円

②通常販売価額×50%=30,000円×50%=15,000円

→15,000円を家事消費に係る課税売上の金額とします。

 

自家消費(家事消費)の消費税を考慮した場合の仕訳例

消費税を考慮した場合の上記具体例による自家消費(家事消費)の仕訳は次のようになります。

(借方)事業主貸 22,200 (貸方)売上(課税)15,000
(貸方)売上(対象外)6,000
(貸方)仮受消費税 1,200  ※15,000×8%

 

 

自家消費(家事消費)が多い業種【飲食店等】は要注意ポイントになる

自家消費(家事消費)が多い業種においては、正しく計上されているかどうかが税務調査時にの要注意ポイントになります。

特に飲食店においては、税務調査で必ずチェックされるポイントになりますので、計上のルールを決めて、確実に処理しておく必要があります。

 

 

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  • この記事を書いた人

jun.hamano

濱野純税理士事務所 代表。 【事務所HP】https://hamanotax.com 1980年10月 埼玉生まれ。埼玉県草加市育ち、東京・蒲田在住。税理士。中小企業診断士。節税、節約、税務処理を身をもって実践しブログに公開しています。

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