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【法人】電子申告の義務化の件

平成30年度税制改正により、「電子情報処理組織による申告の特例」が創設され、一定の法人が行う法人税等の申告は、電子申告により提出することが義務化されることとされました。
今回は、その概要等について見ていきたいと思います。

 

【目次】


1.電子申告の義務化の概要

「電子申告の義務化」の対象となる税目、法人の範囲、手続等は以下のとおりとなっています。

 

(1)対象税目 

法人税、地方法人税並びに消費税等、地方税(法人住民税、法人事業税)

 

(2)対象法人の範囲

 

 ①法人税及び地方法人税
 ⅰ 内国法人のうち、その事業年度開始の時において資本金の額又は出資金の額(以下「資本金の額等」といいます。)が1億円を超える法人

 ⅱ 相互会社、投資法人及び特定目的会社

 

② 消費税等
   ⅰに掲げる法人に加え、国及び地方公共団体

※義務化対象法人には、人格のない社団等及び外国法人は含まれません。

 

【国税庁資料より】f:id:hamatax:20180707221730g:plain


(3)対象手続

確定申告書、中間(予定)申告書、仮決算の中間申告書、修正申告書及び還付申告書


(4)対象書類

申告書及び申告書に添付すべきものとされている書類の全てが対象となります。
申告書は電子申告で提出し、決算書等を添付書類として紙で提出している会社も多いと思いますが、義務化の後はすべて電子申告で提出する必要があるため留意が必要です。

 

(5)例外的書面申告

 電気通信回線の故障、災害その他の理由によりe-Taxを使用することが困難であると認められる場合において、書面により申告書を提出することができると認められるときは、納税地の所轄税務署長の事前の承認を要件として、法人税等の申告書及び添付書類を書面によって提出することができるという救済措置があります。


(6)適用開始届出

 電子申告の義務化の対象となる法人は、以下のとおり納税地の所轄税務署長に対し、「適用開始事業年度等を記載した届出書」を提出することが必要です。(届出様式を下記に添付しています。)
なお、減資により、資本金の額等が1億円以下となった場合等により義務化対象法人でなくなった場合にも、届出書を提出することになりそうです。

 

①平成32年3月31日以前に設立された法人で平成32年4月1日以後最初に開始する事業年度(課税期間)において義務化対象法人となる場合

○当該事業年度(課税期間)開始の日から1か月以内

 

②平成32年4月1日以後に増資、設立等により義務化対象法人となる場合  

イ 増資により義務化対象法人となる場合
○資本金の額等が1億円超となった日から1か月以内

 ロ 新たに設立された法人で設立後の最初の事業年度から義務化対象法人となる場合
○設立の日から2か月以内



③平成32年4月1日以後に義務化対象法人であって消費税の免税事業者から課税事業者となる場合

○課税事業者となる課税期間開始の日から1か月以内

 

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(7) 適用日

 平成32(2020)年4月1日以後に開始する事業年度(課税期間)から適用されます。

 


2.電子申告の義務化に伴い導入する利便性向上施策等

大法人の電子申告が義務化される一方で、法人税等に係る申告データを円滑に提出できるよう国税庁において環境整備が進められており、主要な利便性向上策について、以下にまとめます。

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なお、これらの施策については、電子申告が義務化されない中小法人等にも適用されるものとなっています。

注目すべきは、「データ形式の柔軟化」に示されている決算書や勘定科目内訳書のCSV形式による受け入れです。
現状、決算書等を電子申告する場合にはXML形式等の一定のデータ形式でなければならず、使い勝手があまりよくありませんでした。
そのため、申告書は電子申告で提出、決算書は紙で提出している会社さんも多いと思いますが、今後は全て電子申告にて提出する必要があります。

国税庁からCSVデータ作成用の標準フォーム(エクセル)が提供されることが予定されていますので、引き続き注目していきたいと思います。