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平成30年度税制改正大綱!知っておきたい税制の改正~法人課税編~

12月14日に平成30年度の税制改正大綱が公表されました。

 前回は主に個人所得税に関する改正を見てきましたが、今回は法人課税について見ていきたいと思います。

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【目次】

 

1.賃上げ及び生産性向上のための税制

(1)所得拡大促進税制の改組

所得拡大促進税制が改組され、賃上げや設備投資を一定割合以上行った場合には、給与支給増加額の15%の税額控除ができる制度になります。
さらに教育訓練費の増加要件を満たす場合には、20%の税額控除が認められます。
中小企業に関しては、一定の要件を満たす場合に、給与支給増加額の最大25%の税額控除が認められる制度になります。
平成30年4月から3年間の時限措置となります。

 

(2)情報連携投資等の促進に係る税制の創設

生産性向上のための臨時措置法(仮称)における革新的データ活用計画の認定を受け、計画に従いソフトウェアを新設又は増設した場合で一定の場合(注1)において、情報連携利活用設備の取得等したときは、その取得価額について特別償却(30%)又は税額控除(5%又は3%)ができる措置が講じられます。

(注1)一定の場合とは、新設又は増設をしたソフトウェアの取得価額の合計額が5,000万円以上の場合をいいます。
(注2)情報連携利活用設備とは、上記のソフトウェア、機械装置、器具備品をいい、開発研究用資産は除かれます。

 

(3)租税特別措置の適用要件の見直し

 大企業が次の要件のいずれにも該当しない場合には、研究開発税制等の税額控除の適用ができないこととなります。
①平均給与等支給額が比較平均給与等支給額を超えること。
②国内設備投資額が減価償却費の総額の10%を超えること。

通常の大企業であれば②の要件は自然と満たすと考えられ、立法サイドでもこの規定により制限がかかることはあまり想定していないとのこと。

 


2.競争力強化のための税制措置

(1)株式を対価とする株式等の譲渡(株式対価M&A)に係る所得計算の特例の創設

産業競争力強化法の特別事業再編(仮称)に基づき、保有する株式を譲渡し、対価としてその認定を受けた事業者の株式の交付を受けた場合には、その譲渡した株式の譲渡損益の計上を繰り延べることとされます。

 

(2)その他

組織再編税制の適格要件等に一部見直しが入ります。

 

3.その他の租税特別措置

 ・交際費の損金不算入制度の適用期限が2年延長するとともに、接待飲食費に係る損金算入の特例及び中小企業に係る損金算入の特例(年800万円までの定額控除)の適用期限が2年延長されます。

 ・中小企業者以外の欠損金繰戻還付の不適用措置の適用期限が2年延長されます。

・中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(30万未満であれば一括で損金算入)の適用期限が2年延長されます。

・エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度(いわゆるグリーン投資減税)は、H30.3.31を持って廃止されます。

・特定の地域において雇用者の数が増加した場合の税額控除制度(いわゆる雇用促進税制)は、適用期限をもって廃止されます。

 

4.固定資産税の軽減措置

中小企業者が行う一定の要件を満たす設備投資(注3)について、固定資産税を2分の1からゼロまで軽減することを可能とする3年間の時限的な特例措置が創設されます。
この制度の創設に伴い、経営強化税制で講じられていた固定資産税の特例措置は、適用期限をもって廃止されることになります。
経営強化税制で行われていた固定資産税の特例措置が、一部見直された上で、新制度へ切り出されたかたちになります。

(注3)一定の要件を満たす設備投資とは次の全てを満たすものをいいます。

・市町村の導入促進基本計画(仮称)に適合し、かつ、労働生産性を年平均3%以上向上させるものとして認定を受けた中小企業者等の先端設備等導入計画(仮称)に記載されたものであること。

・旧モデル比で生産性が年平均1%以上向上するもの。

・次の資産の区分に応じ、それぞれ次に定める販売開始時期であるもの
イ 機械・装置 10年以内
ロ 測定工具及び検査器具 5年以内
ハ 器具・備品 6年以内
ニ 建物付属設備(家屋と一体となって効用を果たすものを除く。) 14年以内

・次の資産の区分に応じ、1台又は1基の取得価額がそれぞれ次に定める額以上であるもの
イ 機械・装置 160万円
ロ 測定工具及び検査器具 30万円
ハ 器具・備品 30万円
ニ 建物付属設備(家屋と一体となって効用を果たすものを除く。) 60万円